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八丈島磯風

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八丈島の空調・電設・メンテナンス工事の英電舎

不快害虫が怖いか、海洋汚染が怖いか?。
島でヤスデが大発生である。

溶岩質の島で、我が家は木造とコンクリートのコンビになっている建物だ。
それはヤスデにも絶好の生息環境かもしれないが、ペンションなのだからお客様には快適な空間でなければならない。

そこで、駆除大作戦ではないが、如何にこの不快害虫を退治するかと頭を悩ませる。
夜から深夜にかけて徘徊する、この不快害虫は、朝には建物の壁に数匹張り付いている。

町役場に相談数したが、我が家のある底土地区は少ない方で、島の北側にある永郷地区では一日でゴミ袋に2~3個もとれ、それは朝の掃除が大変らしい。想像を絶する量だ。
町役場のアドバイスに従い、役場で配られる農薬引換券(月に一個)をもって、農協から『コイレット』という農薬を受け取った。
それを、建物の周囲に5センチ幅で巻いておくと、翌日は十数匹のヤスデと他の虫が死んでいた。

そして、その後は確かにヤスデが少々だが少なくなったような気もする。
確かに効果はあるだろう。
しかし、3日後に雨が降った。
1日で100ミリぐらいの降水量であるから相当の雨である。
当然に、翌日はその薬剤の『コイレット』は、ほとんど流れてしまった。
やはり、このヤスデを退治すると云うのは容易ではないし、この薬剤をその度に撒くのは、環境的に決して良いことではないだろう。

この島では、こういった不快害虫の他にも深刻は虫害がある。例えば白アリもそうだ。
シロアリの駆除に関しては島民も相当に苦労しているようで、僅か8300人の島でシロアリの駆除業者が数社ある事からも想像出来る。
しかし、このシロアリ駆除剤はそうとう環境には宜しくない。
元々は1986年頃から有機塩素系のクロルデンが使用されていた。
しかし、人体と環境に影響が大きいということで使用が禁止になる。
かわりに、有機リン系のクロルピリホスという成分の防蟻剤として主流になる。
しかし、これも数年前、使用が不可となり、現在はピレスロイド系の防蟻剤が主流だ。

しかし、これも農薬系の薬剤であり相当の薬害が伝えられるので、最初に1~2年はこれを使って駆除したが、我が家には猫が2匹、それに犬が2匹いて、床下どころか家の四方、周囲に撒くのだから心配である。
その上、撒いている自分でも口の中が苦くなり(勿論、マスクはしているが)、目まいや多少の吐き気もあり、明らかに体調を崩すので止めることにした。

今では、我が家ではシロアリの駆除剤や防蟻剤を使わずに、灯油や廃油を撒くことにしている。
しかし、これらも雨に流され地下に浸透するがのだから、溶岩質の島で多少は濾過されても、海に流れ出ることになる。
これも環境には宜しくない。
ただ、農薬のように人体や生物に強く害をもたらすものではないから、幾分は環境負荷が少ない。
何もしない訳にはいかないから、今のところは最上の方法だろうか。


上記したヤスデや白アリの駆除剤など、その薬剤の主な種類と成分を述べてみる。
農薬と言われる薬剤は大まかに分けて3種ある。
有機リン系、カーバメイト系、ピレスロイド系だ。
その中で有機リン系は環境被害(神経興奮の障害)が特記される、DDT、ピレスロイド系防虫剤・パラジクロロベンゼン、EPN、ダイアジノン、MEP(パラチオンなど)、フェニトロチオン(スミチオン、ガットサイド)、ジクロルボス、メタミドホス、何かと環境被害や人体被害でマスコミを賑わす薬剤が多い。
他にウレタンホーム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など、合成樹脂には難燃剤として有機リン剤が使われている。

カーバメイト系は、ランネートやフェノカルブだが、例の不快害虫駆除剤『コイレット』が、このフェノカルブが主成分だ。
フィノカルブはカーバメイト系の防蟻剤としても多くつかわれたものだが、現在は販売中止になっている。
当然、環境被害や人体への影響が大きかったであろう。
そう考えると、この『コイレット』も、決して安心できる薬剤ではないと云う事になる。

最後のピレスロイド系だが、これは蚊取り線香の原材料である除虫菊で馴染み深いと思う。
それは哺乳類の受容体に対する作用は比較的弱く、人畜防虫剤として古くから利用されてきた。
ただ、皮膚に直接塗布してアレルギーを誘発する例がある。
大量に摂取すると、 紅斑、皮膚炎、などの皮膚症状、気管支喘息、傾眠、血管運動神経性鼻炎、アナフィラキシー反応、吐き気、下痢、耳鳴り、頭痛、情動不安、しびれ、知覚麻痺、衰弱など、神経症状が現れることもある。
重症の場合は呼吸停止から死に至る場合があるらしい。
比較的 に安全性が高いと言っても農薬であるからリスクもあると云うことだ。

いずれにしても農薬は、人体による深刻な影響や環境被害を受け、長年に研究開発され進歩している。
それでも、人間社会には大きな享受の反面で、相当のリスクも伴う。


さて話は戻るが、ヤスデ騒動で配布される『コイレット』だが、フェノカルブが主成分のカーバメイト系農薬であることは前述した。
フェノカルブの毒性については「人体の中毒症状は有機リン系農薬の毒性と類似していて、変異原性は認められないが、動物の胃の中で亜硝酸と反応して出来、発ガン性も疑われています」とある。

ただ、魚毒性A 普通物に分類されるので、
農薬の中でも比較的人畜には安全性が高いと言われ、通常販売される。

しかし、この魚毒性の判定基準も、年々変わってきている。
魚類、ミジンコ類を対象にした試験だが、ともに農薬GLP基準に適合した試験施設で実施され、暴露時間などもS40年当時よりも(48時間)、96時間と遥かに厳しくなっている。
それでも、95%の信頼限界であるから完全ではない。
もっとも、これら薬剤の毒性基準は勿論だが、生物学、環境学自体、試験成果に完全はあり得ないのだから、その判断は難しい。


私も島民の1人として、このヤスデには辟易としている。
もちろん、ペンションのお客様には、より良い宿泊環境を提供したい気持ちも大きい。
しかし、この薬剤をヤスデの完全駆除まで撒き続ける事には、大いなる危惧を持つ。
冗談話になるがお客様には「だから、この島は自然豊かなんです!」と話す。
勿論、他の島民の方も苦慮していると思うが、しかしこの薬剤を各家庭が毎月撒き続けたとしたら、雨の多い島であるだけに、当然ながら海にも大きい影響をもたらすであろう。
ほかにも、多くの農薬や除草剤が撒かれ、雨がある度に地中に浸透し、海に流れ出る。
勿論、家庭で使われる洗剤や漂白剤なども農薬と同じ環境リスクがある。それらも大方は処理されずに流れ出ている。
当然、身近な海も海洋汚染が進み、植物性プランクトンの減少から、動物性プランクトン、海藻類、それを食す小魚、回遊魚、と多くの漁業資源が減少していく。
それは、島だけではなく、日本中、世界中で、これらの薬剤や化学物質が垂れ流されることで環境破壊が起こっているのだろう。

人間生活と豊かな自然との共存が如何に難しいか?と云うことになる。
私たちが、そのことを自覚し、将来にむかって知恵を尽くさなければならない。



もし多少でも、普段使われている農薬や一般に販売される防虫剤などの環境被害に、
興味をもたれる方は レイチェル・カーソン著/青樹簗一訳『沈黙の春』新潮社
ぜひとも読んでいただきたい。 レイチェルカーソンは海洋学者です。

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| パパズインの環境姿勢 | 07:52 PM | comments (x) | trackback (x) |
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